セミリタイアに必要な投資方法まとめ 基本的な投資ルールも紹介

セミリタイア
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この記事は、こんな方のために書いています。

  • いずれはセミリタイアしたい
  • 資産をどうやって形成したらいいか分からない
  • 投資が必要なのは分かるが、具体的な方法が分からない
  • 投資はなるべく低リスクが良いが、最低限のリターンも欲しい
  • 具体的な投資商品を知りたい
  • 最初の一歩を踏み出す勇気が欲しい

※本記事では具体の商品名や投資額を紹介していますが、投資は必ず余裕資金&自己責任で行って下さい。

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セミリタイアに必要な資産形成には「福利の力」を活用しよう

セミリタイアには少なく見積もっても「4,000万円」の原資が必要です。これを貯金だけで作るのは、多くの人にとって非現実的でしょう。

(過去記事でもここら辺は一度書いているので、時間がある方は見てみて下さい)

そこで、長期的に投資をし続けて「福利の力」を味方につける必要があります。

上の記事でも書きましたが、22歳から毎月10万円の積立投資を行い、年利3%の運用で、得た利益を全て再投資すると、23年後には「4,000万円」に到達します。

単純に貯金をした場合、120万円 ✕ 23年 = 2,760万円ですから、実に1,240万円もの差が生じる事になります。

もちろん、投資に絶対はありませんから、年利3%は約束された数字ではありませんし、逆に資産は減ってしまう可能性もあります。

ただし、過去のデータから見て、年利3%を「高確率で得られる」投資方法があるのです。

次項ではその具体例を紹介していきますが、その前に「投資の基本ルール」を記載しておきます。

  • 成長し続ける(と思われる)市場に対して投資をすること
  • 長期的に一定金額を毎月積立できること(ドルコスト平均法)
  • 手数料が安い投資商品を選ぶこと
  • リスクとリターンのバランスが取れていること
  • 何か一つに集中投資するのではなく、分散投資をすること

上記を満たさない投資方法の例として、FXやソーシャルレンディングが挙げられます。

FXはそもそも「投機」であるため論外なのですが、ソーシャルレンディングも実はリスク&リターンのバランスが悪い投資法です。(私はソーシャルレンディングにも手を出しているため、いずれは別記事で紹介しようかなと思っていますが、投資初心者の方が手を出すべき手法でないことは断言できます)

また、株主優待や高い配当利回りに釣られて、現物の株式を一点集中して購入する投資法も危険です。その会社が傾いた時には、資産の大部分が一気に消失してしまいます。

よって、上記の基本ルールに沿って投資商品を選び、ドルコスト平均法で少しずつ確実に投資していくことが重要になります。

具体例① S&P500指数に連動するインデックス投資信託

具体例①は、多くのビジネス系YOUTUBERが「どれか一つだけに投資するならコレ」という条件で挙げている商品。

「S&P500指数に連動するインデックス投資信託」です。

様々な理由がありますが、最も大きいのは

「過去のS&P500指数を遡ると、15年という区切りで見た場合、どの時点で切り取っても利益が出ていた」という事実でしょう。

(過去)15年間米国株式S&P500指数への海外積立投資では絶対に損せずに資産形成ができる! | K2 Partners眞原郁哉 証券IFAのための海外投資ブログ
こんにちは、投資アドバイザーの真原です。 S&P500指数が最高値を更新して堅調に推移しているというの

このS&P500という指数は、これまでずっと右肩上がりの成長を続けています。世界最強の経済大国であるアメリカの主要企業500社で構成されている訳ですから、当然といえば当然ですね。

この指数に連動したインデックス投資信託を、ドルコスト平均法で積立すれば、15年以上経った時に高確率で利益が出る、というのがこの投資法の根幹となります。

投資を成功させるには、以下のルールを守る必要があります。

  • 手数料が安く、人気のある優良商品を選ぶ⇨「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」がオススメ
  • 証券口座も手数料の安いネット証券を選ぶ⇨楽天証券かSBI証券のどちらかでOK
  • 積立は「自動で行う」のがベスト⇨上記の証券会社はいずれも自動で積立可能
  • 暴落時に決して「狼狽売り」をしない
  • 利益が出ても「焦って利益確定」をしない
  • 日々の株価チャートは基本的に見ない(BUY&HOLDが基本かつ全て)
  • 積立NISAとの相性が抜群なので、必ず利用すること

この投資法の良いところは「勝率が高い投資法なのに、ルールは圧倒的にシンプルで、手間が全くかからない」ことです。

上記をまとめると「優良商品を、給与の振込口座から自動で一定額&定期積立する設定にしたら、後は忘れる」となります。

たったこれだけで良いので、投資に時間を割く必要は一切ありません。それでいて、15年後には高確率で資産が増えている訳ですから、もはや「最強の投資法」と言っても過言ではないでしょう。

この投資法については、ネットでググればいくらでも情報が出てきますので、これ以上の細かい説明は省略します。

私は毎月、積立NISAの限度額(40万円÷12ヶ月=33,333円)を自動で積立しています。

具体例② 米国高配当株ETF

前の項目で「米国S&P500指数に連動するインデックス投資信託が最強」とは述べたものの、この投資法には「セミリタイアに不向きな弱点」が存在します。

それは「必要な時に売ることが出来ない(かもしれない)」という点です。

例えば、くまさんは10年後にセミリタイアを狙っていますが、会社を辞めた後に暴落が起きたらどうなるでしょうか。

つい最近起きた「コロナショック」とも言える大暴落では、何年もかかって膨れ上がった株価が、一瞬にして30%近くも下落してしまいました。

暴落は一時的なもので、いずれは回復するでしょうが、大きく落ち込んだ状況で売ってしまえば損をします。とは言え、生活費など必要最低限のお金は必要ですから「苦渋の選択」で取り崩すハメになるかもしれません。

こういった弱点があるため、セミリタイアを目指す人にとって、インデックス投資信託オンリーでの資産形成はリスクが大きいと言えます。

じゃぁ、どうしたらいいのか?という問いに対する答えの一つが

「米国高配当株ETF」です。

単語だけを見ると「何を言ってるのか分からない」と思いますが、簡単に言うと以下のような投資商品になります。

  • 米国の主要な「高配当株(銘柄)」を詰め合わせた投資信託
  • 構成銘柄は投資のプロによって選別され、一定期間で中身の入れ替えも行われる(業績の悪い銘柄は排除される)
  • 株式投資と同様に、定期的に「配当金」が出る
  • 配当金だけでも税引後年利3%を狙える商品がある
  • 手数料もかなり安い商品が多い

インデックス投資信託とは異なり、「配当金」という形で定期的に収入が得られるため、基本的には「取り崩す」という事を一切考える必要がありません。

また、米国は株主還元の意識が高い企業が多く、100社近い企業の詰め合わせであっても「税引後年利3%以上」を確保できる商品があります。

これを中心として資産を形成しておくと、例えば暴落が起きた場合でも、配当金さえ大きく減らなければずっと持ち続ける事ができます。

一般的に、暴落によって株価が下がっても、即座に配当金が減る可能性は低く※、株価に左右されるインデックス投資信託よりは「暴落に強い」投資法であると言えるでしょう。

※市場全体の暴落は企業単体の業績とは直接関係がなかったり、配当金を減らせば株価がより下がってしまうために企業としては決断がしにくい、といった理由があります

もちろん、弱点が無い訳ではありません。大まかにこの投資法の弱点を書いてみます。

  1. 配当金に対しては都度、税金がかかる⇨配当のないインデックス投資信託に比べて、再投資に回せる金額が減る(福利の力が弱まる)
  2. 購入時に手数料がかかる⇨長期保有する分にはあまり気にする必要はない
  3. アメリカに対して投資を行うため、外国税がかかる⇨基本は10%、控除で多少は減らせる
  4. ドルでしか購入できないため、為替リスクが生じる

1は長期的に見るとインデックス投信に比べて大きくリターンが劣る原因になってしまうのですが、とは言え定期的に配当金が得られるメリットや暴落時の安定性を考えると「リスクが減る分、リターンも減る」という当たり前の話かなと思います。

2〜3については、私は「アメリカの優良な投資商品を買うためにかかる手数料の一部」だと思うことにしています。

4ついては、具体例①の商品についても同じ事が言えるのですが、①で書かなかったのでここで詳述します。

為替にはリスク(円高)もリターン(円安)もあるので、一概には弱点とは言えないのですが、要注意ポイントとして「暴落時には高確率で円高が起こる(起こった)」ため、株価下落&円高というダブルパンチで資産価値が半分くらいになったりします。

とは言え、配当金が減らなければ売る必要もないのがこの投資法のメリットですから「(無駄にチャートを見て)狼狽売りをしない」というルールを守れるかどうかが勝負の分かれ目となります。

具体的な商品として、私は毎月「VYM」という商品を5万円分、「SPYD」という商品を5万円分、それぞれ自動で積立しています。セミリタイアを達成するまでは、配当金は全て再投資する予定です。

具体例③ 日本の高配当株(現物)を自分で選定して少額ずつ積立投資する(最低30社以上)

ここからは、万人にはオススメできない投資法になっていきます。

最初に書いたルールの一つである「成長し続ける市場への投資」とは言い難い、というのが最たる理由です。(私は、日本という国を「泥舟」だと思っているので、矛盾した行動を取っている自覚はあります)

ただ、それでも日本の高配当株に投資する事にはメリットがあり、だからこそ私はここに資金を投入しています。

<日本の高配当株のメリット>

  • 手数料が(ほぼ)ゼロ
  • 企業分析がしやすい
  • 税金が安い(配当控除)
  • 為替リスクがない
  • 割安と言われる株が多い(諸説あり)
  • 税引後年利4%以上を狙うことも可能

米国株は優良な商品が多い反面、手数料や税金といった面で年利が抑え込まれてしまいます。また、暴落局面においては「ナイアガラの滝」レベルの資産価値減少が起こるため、狼狽売りに耐えるためには強心臓が必要になります。

私は暴落が起きてから投資をスタートしていますから、次の暴落が来た時に「果たして狼狽売りせずにいられるのか」と言われると、正直「かなり難しい」かなと思っています。

そこで、投資の基本ルールでもある「分散投資」を考えた時に「日本の高配当株」が候補に上がってきました。

結局の所、セミリタイアには「最低でも月10万円の不労所得」が必要になる訳ですが、これは逆に言うと「月10円の不労所得さえあれば、基本的にそれ以上は要らない」という事にもなります。

ここでいう「それ以上」というのは「有価証券を売却した際に得られる利益」のことを指します。

日経平均株価の超長期チャートを見ると、日本は未だにバブル景気で到達したポイントに返り咲く事ができていません。どれほどの大暴落に見舞われても不死鳥のごとく蘇ってきたS&P500指数とはここが大きく異なるため、日経平均株価に連動するインデックス投資信託を長期保有しても確実に資産が増える見込みは低いでしょう。

ただし、セミリタイアにおける高配当株の取り扱いは「配当金さえ出し続けてくれればOK」なので、この部分はあまり気にしてもしょうがないんですね。

さらに、日本の高配当株は「毎年、安定して利益を出しているにも関わらず株価が右肩下がり」という企業も多く、いわゆる「割安」とされる銘柄が多く存在しています。(人によって見方が異なるため、諸説がありますが)

日本は斜陽国家なので、海外投資家から敬遠されているのかもしれませんが、日本企業もそれを感じてか(?)近年は配当金を多く出す企業が増えてきています。こういった「株主還元意識の高い」企業が増えてくれば、今後、日本の市場に海外の資金が集まってくる可能性もありますよね。

実際に、今回の暴落が起こるまでは日経平均株価は右肩上がりに成長していましたので、今後もS&P500ほどの成績は出せないにしても、また右肩上がりに成長する可能性は十分にあります。

<具体的な投資方法>

実は、数年前まで日本の株式は基本的に「100株単位(単元株)」でしか「手数料無料で」購入できなかったため、分散投資を行う際には大量の資金が必要でした。さらにドルコスト平均法による時間分散もできないため、買うタイミングの見極めが重要で、まさに「素人お断り」の投資法だったと言えます。

(実際、私も株式投資=ただの博打だと考えていましたし、多くの人が「株なんてやらずに、まともに働きゃいいんだよ」という意見だったかと思います)

それが「SBIネオモバイル証券」の登場により、一変したのです。

「一株から購入できて、毎月50万円以下の取り扱いであれば手数料が実質無料」という画期的な料金体系を取る証券会社で、ここを使えば「数十社以上の株式を数株ずつ購入」しても手数料がかかりません。

投資信託やETFとは異なり、例えば30社分を購入するためには「自分で30社を選定して」「30回に渡ってコツコツと買付する」必要があるため、時間も手間もかなりかかるわけですが、その分「投資の醍醐味」といったものを味わうことが出来ます。

「あぁ俺、今、自分の力で投資をしているんだなぁ〜」

なんて風に、プロの投資家になったような気分を味わうことができますw

私は現在、下記のサイトを参考にしながら、毎月10万円の範囲で15社分の株式を購入するようにしています。初月に15社、次月に15社と購入していき、現在は30社分の株式を保有しています。

10万円だと1株当たりの株価が大きい株式を上手く買えない事があるので、30社を15社ずつ2グループに分けて、それぞれを隔月で買付していく形を取ろうと考えています。

こびと株.com - こびとさんから配当金をもらうブログ
こびとさんから配当金をもらうブログ

上記のサイトでは、毎月のように「日本の高配当株ランキング」として様々な銘柄の分析を行っておられます。

正直に言うと、初月の購入銘柄はこのサイトで紹介されていたランキングの通りに購入しており、今後も定期的に訪問して参考にさせて頂こうと思っています。

まとめ:リスクを負わなければ、リターンも得られない

ここまで具体例を3つ紹介してきましたが、どれも「株式」に関係するもので、投資手法としては「ややハイリスク」な方法になります。

投資について知識が豊富な方からすれば「債権も混ぜたほうがいい」とか「不動産が入ってないじゃん」とか思うかもしれません。

実のところ、私自身もこの3つに絞る前にはかなり悩みましたし、未だに他の投資法について勉強していたりもします。

ただ、私のように「○年後に月○万円の配当がどうしても欲しい」という明確な目標を立ててから考えていくと、「このリターンを得るには、最低でもこれくらいのリスクは取らないといけない」という現実にぶち当たります。

債権は基本的に「税引後3%」を狙えるほどの利率がありませんし、資産価値も大きく伸びる事はありません。

不動産は利率が高いですが、投資を始めるまでに必要な勉強量が上記の具体例①〜③に比べて多い印象があります。じっくりと腰を据えて勉強してから手を出さないと、痛い目に合う可能性が高いです。

実際、J-REITはコロナショックで未曾有の大暴落に見舞われましたし、未だに反転する気配もありません(コロナ禍で経済がストップしていますから、当然といえば当然ですが)。投資をする際はかなりの覚悟と知識武装がなければ、不安な毎日を過ごすハメになるのは目に見えています。

よって、セミリタイアを狙って投資を始めるのであれば、まずは具体例の①⇨②と進めていき、余力があれば③その他、といった形で取り組まれるのが良いのではないかと思います。

また長くなりましたが、この記事がセミリタイアを目指す諸氏にとって参考になれば幸いです!

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