この記事は、こんな方のために書いています。
- 米国高配当株ETF「SPYD」に興味があり、ザックリと知りたい
- SPYDのリスクについて知りたい
- 買い方・買い時が知りたい
※今回の記事では、私自身がSPYDを「定期&定額積立」している事を前提として、その他の投資方法と比較する形でまとめています。投資される際の参考になれば幸いです。
そもそもSPYDって何ぞや?超ザックリご説明
最低限、SPYDについて知っておくべき事は以下の通り。
- 米国の超大手投資会社「ステート・ストリート社」が運用
- 設定年は2015年と、歴史は「かなり」浅い
- 米国S&P500指数に入っている企業のみが対象
- 高配当株80銘柄を「均等に」保有する
- 銘柄の半数を「不動産」「一般消費財」「エネルギー」が占める
- 税引前の年利が「設定来、平均して」4%を超えている
- 配当は年4回(3・6・9・12月)
- 銘柄の組み換え(メンテナンス)は年2回(1・7月)
他の大人気な米国高配当株ETF(VYM、HDVなど)と比べて「配当金に特化した」ETFと言えるよ。
リスクは低いとは言えないけど、くまさんはセミリタイア計画を立てた時に「税引後の年利が安定して3%はないと厳しい」という結論を出したので、リスクを承知で投資しようと決めたよ。
SPYDを購入する前に、知っておくべきリスク
SPYDが持つ「主要なリスク」をまとめてみましょう。
- 歴史が浅いため、大暴落を経験していない ⇨ コロナショックで現在進行系で経験中
- 高配当を実現するため、不人気銘柄も組み込まれている
- 上記により、コロナショックでは「VYM」や「HDV」に比べて大きく暴落し、値戻しも緩やかな状態
要するに「配当金をたくさん出さないと株を保有してもらえない」=「不人気」という事で、市場が大暴落した時には「いの一番に(リスク回避で)売られる」銘柄が多く組み込まれている、という事が「SPYDの弱点」と言えます。
ただし、今回のコロナショックのような大暴落が実際に起こるまでは、「不人気銘柄が入っている」なんて事が嘘のように株価は右肩上がりの状態で、一部では「株価上昇による利益と配当利益が同時に狙える(最強クラスの)ETF」という意見もあったように思います。
くまさんも、コロナショックで暴落した直後は「どうせすぐ戻すだろう」と思っていたよ。
でも現実は、VYMやHDVが既に「半値戻し」を達成した現在(5月初旬)でも、SPYDは「25%戻し」のラインで止まっているよ。
くまさんは売る事は一切考えていないから、あんまり気にしてないんだけど、1年後も半値戻しが達成できていなかったら・・・ちょっと色々と考えちゃいそうだよね。
SPYDの買い方・買い時を「3つのパターン」で考えてみる
SPYDの買い方を、下記の3パターンで比較・検討してみます。
- 暴落などにより、配当利回りが上がった所を狙って一気に買う(目標は税引前4.5%以上)
- ドルコスト平均法でコツコツと積立する
- 上記2つを並行して行う(余裕資金による買い増し)
私が実践しているのは2番ですので、これをまず先に説明していきます。
まず、私が2番を選んだのは「今が大暴落の真っ最中だから」と「(投資も為替もズブの素人な)自分では買い時が分からない」という2点からです。
SPYDのチャートを見れば分かるのですが、やはり米国S&P500に名を連ねる銘柄の詰め合わせなので、株価は設定来から右肩上がりに推移してきました。
ドルコスト平均法は「右肩上がりに成長し続けるもの」に対して有効な投資法ですので、買い時に悩む必要はありません。加えて、暴落局面で投資を始めたのは「これ以上大きく下がる可能性が低い=狼狽売りのリスクを減らせる」と踏んでのことです。
では次に、1番について考えてみます。これは「SPYDによるリターンを最大化できる」可能性が高く、実のところ「最も合理的な投資法」と言えます。
株式の売却による利益(キャピタルゲイン)を狙う場合、為替が不利な状況では買いにくいのですが、「基本的には売らずに配当金(インカムゲイン)をもらい続ける」のが高配当株を買う目的ですから、「とにかく配当利回りが高い時に仕込んでガチホールド」が正統派の投資法なのです。
ただし、今回のような状況(大暴落の直後で配当利回りが非常に高い)であっても、「今ここが大暴落の底なのか」は誰にも分からないため、一度に大量購入してしまうと「二番底」が来た時に「いきなり多額の含み損を背負う」ハメになります。
どうせ売らないんだから、配当利回りだけ見て一気に買うのが一番いいんだよ。含み損?売らないのにそこを気にする必要なんて無いっしょ。
確かに、理屈だけで言えばそうだね。でも、実際に含み損が出ている取引画面を見ても、そんな風に強気のままでいられるかな・・・?
「このまま値が戻らなかったらどうしよう」
「このまま値下がりし続けて、ファンド解散なんて事になったらどうしよう」
そんな事を少しでも考え始めたら「狼狽売り」はすぐ目の前だよ。
最後に3番です。一見して良い所取りに見えますが、投資額が大きくなるため「投資対象の分散効果」が薄れてしまいます。また、やり方によっては単なる「ナンピン買い」になるので、最後に多額の含み損を抱えてしまうリスクは変わりません。やはりこれも、上級者向きの投資法かなと思いますね。
・・・とまぁ、私が今の立場で1番と3番を語るとこうなってしまうのですが、実際の所は2番だって、完全無欠の投資法ではありません。
2番を選んだ場合、たくさんの余裕資金がある人は「機会損失」が大きくなってしまいます。
実際、私は1000万円以上の余裕資金があるにも関わらず、基本的にはドルコスト平均法による投資しか実践していないので、多大な機会損失が生まれています。
なので、かなり悩んではいるものの、もしもここから「二番底が来た場合」や、「半値戻しが実現した場合」など、要所で追加投資をする可能性はあります。高配当株投資は、インデックス投資とは違うため、多少は柔軟に取り組む姿勢も必要かなと思っています。
※「買い方」という事で「実際にSPYDを買う方法が知りたい」という方もおられるかもしれないので、参考までに「SBI証券の公式ホームページのリンク(海外ETFの買い方)」を貼っておきます。SBI証券は、購入画面が不親切で分かりにくいのですが、自動でETFの積立が出来るのはここくらいしか無いので・・・(^^;)
最後に:不安な人は「6月の配当」&「7月の銘柄組み換え」の結果を見てから買うのがベター
ここまでSPYDについて「ザックリと」語ってきましたが、今はコロナショックの真っ只中であり、今後が不安で投資がスタートできないという人も多いでしょう。
SPYDは今の所「増配」傾向ですが、米国はコロナウイルスにより甚大な被害を受けており、次期配当(6月)については「減配」となる可能性も高いです。そうなると、7月の銘柄組み換え時期には「大規模な」メンテナンスが行われるかもしれません。
この結果次第でSPYDが「持ち直すのか」「さらに売られるのか」が決まると言っても過言ではないでしょう。私個人の意見としては、2番底に向かって落ちていく事も十分に有り得ると思っています。なので、どうしても今は投資に踏み切れないという方は、この結果を待ってから始めても良いと思います。
私は10年以上の長期保有を考えているので、(一時的に)減配や無配となってしまった場合でも、今のまま積立を続けるつもりです。配当金が売りの企業が上記のような行動に出た場合、株価はさらに下がりますので、結果的に「安く・大量に」仕入れる事が出来るからです。
あくまでも「10年後に」配当収入「月10万円」を達成する事こそが重要ですので、こういった暴落局面である程度ダイナミックに投資をしなければ(含み損を抱えるリスクを取らなければ)リターンを得ることは出来ませんから、ここが正念場なのかなと思っています!
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